生活リズム表について

  • 2024.02.05

生活リズム表について


みなさんこんにちは。三鷹駅こころえがおクリニックの山田佳幸です。当院はJR中央線 三鷹駅南口徒歩3分の東京都多摩地区にある精神科・心療内科を標榜しているクリニックです。三鷹市、武蔵野市の方をはじめ、周辺の市区町村の方や、神奈川県、埼玉県などからも来院いただいております。


東京も雪がすごいですね。雪が降ると、三鷹駅からクリニックに行くまでの道路は日が当たりにくいので、歩道がアイスバーン状態になります。

皆様来院される際は足元に十分な注意をお願いいたします。


2024年は色々とやるべきこと、やりたいことがあります。

1つ目は開業し、ドタバタしていたせいか、ゆっくり学会に参加することができませんでした。今年は精神神経学会やリワークに関連する学会にしっかり、じっくりと参加し、知識を深めようと思っております。参加の様子など、インスタグラムにアップしてゆきたいと思います。

2つ目は精神神経学会認定の専門医・指導医と、精神保健指定医といった資格の更新です。これらの資格は病院に勤務している時期にしか新規の申請ができない資格です。うっかり更新し忘れてしまうと恐らくもう2度と取得することができないので、忘れずに行いたいと思います(運転免許の5年ぶりの更新も忘れないようにしたいと思います)。

3つ目は休診日の仕事の整理です。クリニックがお休みの日の木曜日を中心に某自治体の保健センターや他県の精神保健福祉センターでの相談・判定業務や、いくつかの企業の産業医業務をしております。これまでは休日はほとんど日曜日しかなかったので、うまく時間の調整をして、少し自分の時間を作れるようにしたいと思っています。

このような感じで、今年の私のキーワードは、「こころをえがおに」はもちろんですが、学会、資格、休日の3つになります。


では、本題に入りたいと思います。今回は生活リズム表についてです。

前回は身体症状症についてを説明させていただきました。

詳しくは前回のブログをご覧ください。

身体症状症について – 三鷹駅こころえがおクリニック ブログ (kokoro-egao.net)


今回は生活リズム表について説明をしてゆきたいと思います。

生活リズム表とは、日々の行動を記録する簡単な日記のようなものです。日中どのように生活し、何時に寝て何時に起きたかなどを記録するための表です。

*ページの最後に生活リズム表のPDFをくっつけてあります。ご自由にお使いください。


生活リズム表を記載することで、自身の生活を見直すきっかけになります。この表をつけるだけでも、日々の生活や活動に意識が向くため、生活リズムが整いやすくなります。

また、生活リズム表を使用することで主治医や会社産業医により正確に現状を伝えることが出来るため、復職の判断などもしやすくなります。

生活リズム表の記載はなぜ必要かというと、心身の回復には生活習慣を整える必要があるからです。そのため、生活リズム表は主に、休職が必要で療養されている方や体調が回復し、仕事を探している状況の方に記載をお願いすることがあります。


生活習慣を整える為にどんなことに注意が必要でしょうか?

以下のことが大切といわれています。

 ①規則正しい生活を送る

 ②お薬がある場合は用法通りにお薬を内服する

 ③活動する時間と休息をとる時間を意識し、バランスよく生活する

 ④十分な睡眠をとる

 ⑤定期的な運動の意識

 ⑥栄養バランスを考えた食事

 ⑦ストレス対処法、気分転換の方法を考え、試してみる


では、一つ一つ説明してゆきたいと思います。

 ①規則正しい生活を送る

休職中は1日の中でやるべきことが極端に少なくなります。そのため、気を抜くとあっという間に昼夜逆転や、活動時間がズレてしまいます。

仕事や活動、やるべきことが生じる場合は、大半が日中です。そのため、生活リズムが一定でないと、いざ仕事や、仕事の面接などある際は、夜寝て、朝起きること自体が負担になります。そのため、休職直後は難しい場合もありますが、できるだけ夜寝て朝起きるということを意識して生活することをお願いしております。


 ②お薬がある場合は用法通りにお薬を内服する

生活リズムが乱れがちだと、用法通りに薬を飲めないことや飲み忘れてのリスクも高くなります。薬剤の中には、決まったタイミングに内服しないと効果が十分に表れない薬剤や、急にやめることでの副作用が出てしまう種類の薬剤もあります。

飲み忘れや用法通りに飲めないことが続くと、病状が悪化してしまい、回復が遅れるため、注意が必要です。

主治医の先生の指示通り、服薬がある場合は用法通りに内服しましょう。また、薬を減らしたいと思うこともあると思います。減らしたい、やめたいと思ったときはまずは主治医の先生に相談をした上で、減量などしてゆくようにしましょう。


 ③活動する時間と休息をとる時間を意識し、バランスよく生活する

休職中は活動する時間が少なくなりがちなため、体力や集中力が落ちやすくなります。

そのため、理想は仕事をしている際と同じくらいの時間を外で活動できることが望ましいと思います。

しかし、休職直後に無理をして活動しすぎると、翌日疲労感が強く残ったり、精神的な不調が強まることがあります。

まずは家の中や家周辺での活動を短時間から始め、体調を確認しながら少しずつ活動範囲や活動時間を延ばすようにしてください。

また、活動する内容も負担のないものから始めるようにしましょう。

休息や気分転換をすることも調子を安定させるためにも必要なことです。

ただし、長期の旅行に行く、長期の休みでしかできないことをするは控えましょう。仕事をしているときにできることを中心に試してみるようにしてください。


 ④十分な睡眠をとる

当たり前ですが、睡眠はとても大切です。睡眠不足が続くと日中の集中力低下や状態の回復も遅くなります。

なるべく同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを意識してゆきましょう。そして、体内時計が乱れないよう、日中に日の光を浴びるようにしましょう。

 ⑤定期的な運動の意識

適度な運動は抑うつの改善によいといわれており、それを調べた論文もあります。

参考文献:Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare, 150 Tobuki, Hachioji, Tokyo 192-0001, Japan

ジョギングする、ジムに通うなどできればよいですが、あまり無理をせず、買い物に行くときに少し遠回する、TVや動画を見ながらストレッチをするなど、普段の行動のついでに行う方が無理なく継続しやすいと思います。


 ⑥栄養バランスを考えた食事

食事をすることもとても大切です。ただ、精神的な不調がある際は食欲がない、3食食べれないこともあると思います。

  例えば昼食を抜いていると、それに体や脳が慣れてしまい、食べなくてもそれほど空腹を感じなくなります。しかしそれでは仕事をした際に、体調を崩しやすくなります。

食事をとる大まかな時間を決め、食欲がない時は少量だけでも良いので口に入れ、食事をするという習慣をなくさないようにしましょう。

また、可能であれば、栄養バランスにも気を付けるようにしましょう。ただ、こだわりすぎると逆に食事をとることが苦痛になります。ほどほどでよいと思います。

食事ができないことや偏り過ぎると、EPA、亜鉛、葉酸、ビタミン類などが不足しやすくなります。食事に加え、不足しがちな成分をサプリで補うことも選択肢の1つだと思います。


 ⑦ストレス対処法、気分転換の方法を考え、試してみる

誰でも生活をしていればストレスが溜まります。そのまま我慢すると、自律神経の不調や精神的な不調など、様々な部分に影響を来します。

ストレスを感じた時にどう対処するか、どう気分転換をするかを考え、試してみることが大切です。

どのような対処法が良いか診察時に質問を受けることもありますが、万人共通の対処法はありません。人それぞれなのです。その方がリラックスできそう、気分転換になりそうと思ったものをまずは試してみましょう。

溜め込まずに相談する、その場から離れる、好きな音楽を聴く、動画を見る、散歩をする、深呼吸をする、仕事に支障がない範囲でスマホのアプリを短時間開くなど、是非この機会にいくつか試してみてください。ポイントは、いいかな?と思った方法や、やろうかなと思ったことは、スマホやメモに残しておくことです。ストレスが溜まっているときや、調子が良くないときは、試したいことが思い出せないことも多いからです。

また、一人でできる方法を多めに考えておくことをお勧めします。一人で出来る発散法の方が、思い立ったらすぐに行動に移しやすいからです。

以上のことを気を付けることで、生活習慣が整い、復職準備性(復職ができる状態)が整って行きます。

これらのことを行動に移すことは思った以上に難しいことです。そのために、生活リズム表を付け、焦らずにすすめてゆきましょう。

メンタル不調の回復は急に良くなるのではありません。初めからパーフェクトを目指さず、できることから少しずつ行うことが大切です。生活リズム表を付けることで過去と現在の状態を比較できるため、変化や不調のきっかけなどにも気づきやすくなり、振り返りの質も高まります。

診察時や職場での面談などに生活リズム表を持参することで、日々の生活の状況が伝わりやすくなります。

生活リズム表は絶対にこの形式でなければいけないということではありません。

インターネット上でも無料の生活リズム表をダウンロードすることが出来ます。

このブログを作成する際に、いくつかの 論文などに記載されている生活リズム表を調べ、良いところを参考に自分でも生活リズム表を作成してみました。ご自由にご利用下さい。


*生活リズム表*


以上、今回は生活リズム表について説明をしました。

次回は自律神経についてまとめたいと思っております。


ひっそりinstagramをやっています。ご覧ください。

https://www.instagram.com/mitaka_kokoro_egao/

皆様の心が少しでも笑顔になりますように。

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