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認知症

認知症とは

認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力など)が低下し、日常生活全般に支障が生じる状態をいいます。
単なる物忘れだけではなく、仕事や家事など普段やってきたことのミスが増える、お金の勘定ができなくなる、慣れた道で迷う、話が通じなくなる、憂うつ・不安になる、気力がなくなる、現実には見えないものが見える、妄想があるなどのサインが出ているときは、認知症の可能性があります。

認知症の原因

認知症の原因は様々です。例えば、脳血管障害、脳外傷、脳腫瘍や脳炎などで、脳の広い部分が侵されると認知症が起こる可能性があります。
いわゆる「認知症」の多くは、脳の老化と密接に関連した認知症性疾患です。
これらのうち、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症は三大認知症と呼ばれます(アルツハイマー型認知症:50~60%、血管性認知症:20~30%、レビー小体型認知症:10~20%、その他の認知症:10%)。

認知症の症状

認知症の症状には、脳の神経細胞の障害によって起こる「中核症状」、中核症状と環境要因、身体要因、心理要因などの相互作用の結果として生じる精神症状や行動障害である「周辺症状(BPSD; Behavioral and psychological symptoms of dementia)」があります。

中核症状

もの忘れ
  • 数分前、数時間前の出来事を忘れてしまう
  • 同じことを何度も言う、聞く
  • しまい忘れや置き忘れが増える
  • 約束を忘れる
  • 昔から知っている物や人の名前が出てこない
  • 同じものを何度も買ってくる
時間・場所の問題
  • 日付や曜日がわからなくなる
  • 慣れた道で迷うことがある
  • 出来事の前後の関係がわからなくなる
理解力・判断力の低下
  • 各種手続きや貯金の出し入れができなくなる
  • 状況や説明が理解できなくなる、TV番組の内容が理解できなくなる
  • 運転などでミスが多くなる
家のこと、身の回りのこと
  • 仕事や家事・趣味の段取りが悪くなる、時間がかかる
  • 料理の味付けを間違える
  • 掃除や洗濯がきちんとできなくなる
  • 身だしなみを構わなくなる、季節に合った服装を選ぶことができなくなる
  • 食べこぼしが増える
  • 洗面や入浴の仕方がわからなくなる、失禁が増える

周辺症状(BPSD)

理解力・判断力の低下
  • 不安や寂しさが目立つ
  • 憂うつでふさぎこむ、何をするにも億劫になる
  • 趣味や好きなTV番組に興味を示さなくなる
  • 怒りっぽくなる、些細なことでもイライラする
  • 誰もいないのに、誰かがいると主張する(幻視)
  • 自分のものを誰かに盗まれたと疑う(もの盗られ妄想)

認知症の診断

症状の経過から認知症が疑われる際は、認知機能検査を行い、認知機能の評価をします。
また、血液検査、画像検査(頭部CTまたは頭部MRIなど)で、脳の異常の有無を確認し、診断をします(画像検査は他の医療機関にて実施していただきます)。

認知症の治療

いくつかの認知機能低下をきたす疾患*を除き、認知症を完全に治す治療法はまだありません。
非薬物療法、薬物療法を組み合わせることで、残された機能を維持しながら、周辺症状(BPSD)に対する治療を行い、病状の進行を遅らせます。
適切な治療を行うことで、ご本人が穏やかに生活を送ることができ、介護者の負担軽減にもつながります。

  • 脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳血管障害等の疾患。他にも脳症や、薬の副作用によるせん妄状態など治療可能な認知症もあります。

非薬物的療法

周辺症状(BPSD)に対しては、適切な対応や環境調整、リハビリテーション等の非薬物療法が優先されます。対応の基本は認知症の方の視点や立場に立って理解しようと努めること(つじつまの合わない話をしても否定や叱ったりせず、耳を傾ける)、得意なことや保たれている機能を維持、強化し、より良い生活を送れるように工夫してゆくことになります。
介護保険サービスを利用し、デイサービス利用等の必要性の検討を行います。
認知症の人が心地よく安心して暮らせるように自宅内の環境調整や生活上の工夫も有効です。また、家族が介護をする場合は全てを家族だけで対応しようとすると、介護する側の負担も高まります。完璧を目指さず、担当のケアマネージャーとも相談し、介護しやすい環境を作ることが大切です。

薬物療法

アルツハイマー型認知症の中核症状に対してはコリンエステラーゼ阻害薬であるアリセプト®(ドネペジル)、レミニール®(ガランタミン)、イクセロン®、リバスタッチ®(リバスチグミン)とNMDA受容体拮抗薬であるメマリー®(メマンチン)の4剤が中核症状に対して使用することができます。
レビー小体型認知症ではアリセプト®(ドネペジル)のみ保険適応が認められています。
注意しなければならない点は、これらの薬剤の効果は一時的で、認知症の進行を完全に抑えるものではないことです。
治療の主体は非薬物療法であり、薬物療法は補助的な治療法の一選択肢と考えてください。
血管性認知症に効果がある薬剤は今のところ存在しませんが、脳卒中の再発予防のために高血圧などの生活習慣病の治療が不可欠です。
非薬物療法でのコントロールが難しい周辺症状(BPSD)に対しては、抗精神病薬、抗うつ薬、漢方薬などを使用することがあります。しかし、高齢者への薬物療法は嚥下障害、転倒、フラつきなどの副作用が生じやすいため、少量から慎重に開始します。

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  • 院長/山田 佳幸
  • 診療内容/精神科・心療内科
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