むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは
レストレスレッグス症候群、下肢静止不能症候群とも呼ばれ、主に下肢(足)に不快な症状を感じる病気です。夜眠ろうとベッドに入った際や、新幹線や映画館、MRIの検査などで、じっとしていないといけない状況の時に、足の内側からむずむず、そわそわといった、なんとも表現出来ない不快感が現れる病気です。この不快感は足を動かすと和らぐといった特徴があります。
むずむず脚症候群の原因
症状の出現には、脳の神経伝達物質であるドパミンがうまく働かなくなることにより、症状が現れるのではないかと考えられております。
発症する原因は、明らかではない場合と、貧血などによる体内の鉄不足、透析(末期腎不全)、糖尿病、リウマチ、パーキンソン病、妊娠などが原因で起こることがあります。
むずむず脚症候群の症状
主な症状としては、足を動かさずにはいられない、むずむずする、虫が這うような感覚があるなどで、なんとも表現できない不快感が続きます。じっとしているときに症状が現れやすく、足を動かすと少し楽になることがあります。夕方〜夜にかけて症状が出やすいため、睡眠障害を起こすこともあり、むずむず脚症候群とは知らずに不眠を主訴に受診される方もいらっしゃいます。
むずむず脚症候群の診断
- 足を動かしたいという不快な下肢の異常な感覚
- その異常感覚が安静中に始まる、あるいは増悪する
- 運動によって改善する
- 日中よりも夕方や夜間に増悪
以上の4つの特徴がある場合は、むずむず脚症候群の可能性があります。
むずむず脚症候群の治療
非薬物療法
カフェイン、アルコール、タバコは症状悪化につながるため、できるだけ控えて頂きます。 質の高い睡眠をとるために、起床、就寝時間を規則正しくする、入浴して体を温める、寝る前に足をマッサージするなどが症状緩和に有効です。 また、原因となる基礎疾患が明らかな場合はそちらの治療を行っていただきます。
薬物療法
体内の鉄分が不足すると発症することがあるため、採血を行い、血中ヘモグロビン、血中鉄などを測定します。不足しているときは鉄剤の処方や市販のサプリなどで鉄分の補充を行なっていただきます。
鉄の補充や非薬物療法にて改善がない場合は、薬物療法を検討します。
むずむず脚症候群に使用できる薬剤は3種類あります。
- ドパミン受容体作動薬
- ビ・シフロール®(プラミペキソール)
ニュープロパッチ®(ロチゴチン) - 抗けいれん薬
- レグナイト®(ガバペンチンエナカルビル)
不眠が強い場合は、睡眠薬などの投薬も合わせて行う場合があります。