不安症(不安障害)とは
誰しもが日々の生活の中で、不安を感じることはあります。就職、転職などで新しい環境を迎える時は大部分の人が不安を感じるでしょう。不安があることで、事前に準備をしたり、対策を練ったりします。適度に不安を感じることは人間が生活する上ではなくてなららないことです。しかしその不安が過剰になりすぎると日常生活に支障をきたします。
- 例)
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- 急に体調が悪くなるといけないから、電車に乗らない
- 人と話すことや見られることが不安だから、外に出れない、職場に行かない
- 事故が心配で電車やバスに乗れない
- 鍵やガスの元栓を閉めたか不安になり、何度も確認してしまう
このように、過剰な不安から日々の生活に支障をきたす状態を不安症と呼びます。
不安症には、パニック症、社交不安症、強迫症など、いくつかのタイプがあります。
生活全般に過剰な不安が生じやすいものは全般不安症(全般性不安障害)と呼ばれ、健康面や家族、仕事や学校のことなどで不安が生じやすい病気です。1つの不安が解消しても、新たに不安を感じることがあり、常に何らかの不安を抱えていることが多いです。
原因
原因は分かっておりませんが、遺伝的要因や神経質な性格、ストレスの強さや自律神経の乱れなどが発症に影響すると言われています。
不安に伴う症状として、落ち着きのなさ、集中困難、イライラ、不眠、さらには震えや吐き気、下痢や筋肉痛などの身体症状が現れることもあります。
治療について
一般的な治療は精神療法と薬物療法の併用になります。
精神療法
精神療法の基本となるのは、支持的精神療法です。不安、緊張、恐怖などから一時的に機能不全に至った心の働きを治療者がサポートします。受容的、共感的態度でお話をうかがい、患者さんが自らの感情や言葉で表現することを促します。それにより心の働きの回復を図り、現実の状況に適応できるようサポートしてゆきます。 また、ある出来事に対する認知(どう受け止めたのか、どのような見方をしたのか)を修正してゆくことで、歪んだ認知によって引き起こされる不快な感情や問題行動の軽減を図るといった認知行動療法的なサポートを行うこともあります。
薬物療法
抗不安薬、抗うつ薬などを使用することがあります。その方の症状や状態に合った薬剤を必要最低限使用します。不安が強く、薬の効果が不十分であると、薬の量や種類が増えてしまうこともあります。当クリニックでは、多剤併用とならないよう、注意して薬物療法をおこないます。